1. はじめに ― なぜ混同するのか?
英語を勉強していると「make」と「let」のどちらも「~させる」と訳されることがあります。 日本語では同じ「させる」なのに、英語では全く異なるニュアンスを持つ ― これが混同の原因です。
結論から言うと、この2つの違いは「強制(make)」か「許可(let)」かという一点に尽きます。 この記事では、この根本的な違いを豊富な例文とともに解説し、TOEIC・英検での出題パターンまでカバーします。
- make と let の根本的なニュアンスの違い
- それぞれの正しい文型(語順)
- 受動態にしたときの違い
- TOEIC・英検での頻出パターン
2. 核心 ― make = 強制、let = 許可
make + 人 + 動詞の原形 = 「(人に)無理やり~させる」
make は「相手の意志に関係なく、その行動をさせる」ニュアンスを持ちます。 命令・強制・圧力がイメージの軸です。
The teacher made the students rewrite the essay.
先生は生徒たちにエッセイを書き直させた。(強制 ― 生徒の意志は関係ない)
My boss makes me work overtime every Friday.
上司は毎週金曜に私に残業させる。(強制的に)
let + 人 + 動詞の原形 = 「(人に)~させてあげる / ~することを許す」
let は「相手がやりたいと思っていることを、許可する・邪魔しない」ニュアンスです。 許可・自由・放任がイメージの軸です。
The teacher let the students choose their own topics.
先生は生徒たちに自分でテーマを選ばせてあげた。(許可 ― 生徒の意志を尊重)
My parents let me study abroad.
両親は私が留学することを許してくれた。
日本語ではどちらも「させた」と訳せてしまうため、日本語から英語に訳すときに間違えやすいポイントです。「その行動は本人がやりたかったのか?やりたくなかったのか?」を考えるのが判断の鍵です。
3. 一覧比較表
| 項目 | make | let |
|---|---|---|
| 核心のニュアンス | 強制(無理やり) | 許可(させてあげる) |
| 本人の意志 | やりたくないかもしれない | やりたいと思っている |
| 文型 | make + O + 原形 | let + O + 原形 |
| 受動態 | be made to do ✅ | be let to do ❌(不可) |
| 受動態の代替 | ― | be allowed to do |
| イメージ | 上司 → 部下、先生 → 生徒 | 親 → 子ども(許可) |
4. 受動態 ― 最大の引っかけポイント
TOEIC Part 5 や英検の文法問題では、受動態にしたときの形の違いが頻出します。
能動態では原形を使いますが、受動態にすると to が復活します。
The students were made to rewrite the essay.
let は受動態(be let to do)にはできません。代わりに be allowed to do を使います。
The students were allowed to choose their own topics.
❌ I was let to go home early.
✅ I was allowed to go home early.
私は早退することを許された。
5. TOEIC・英検での出題パターン
試験では以下のような形で出題されることが多いです。
The manager ______ the team submit the report by Friday.
(A) let (B) made (C) had (D) got
解法:「金曜までに提出させた」→ 強制のニュアンス → (B) made が正解。
※ (C) had も正解になりうるが、ニュアンスは「依頼・手配」。文脈次第で判断。
- make / let の後ろは原形動詞(to不定詞ではない)
- make の受動態は be made to do(toが復活する)
- let は受動態にできない → be allowed to do で代替
- 「強制か?許可か?」を文脈から読み取る
6. まとめ
「make」と「let」の違いは、突き詰めれば「相手の意志に反して強制するか(make)」「相手の意志を尊重して許可するか(let)」という一点です。
この核心を理解しておけば、TOEICのPart 5で迷うことも、英作文で間違えることもなくなります。 受動態の形(make → be made to do / let → be allowed to do)まで押さえておけば、試験対策としては完璧です。